ソロギターでリズムを表現するのは基本的に右手の刻みです。でも左手はリズムを意識しなくて良いかと言うと、そんなことはないと思います。わかりやすいのはハンマリングオンやプリングオフのタイミング。リズムに乗ってないとダメですよね。左手の押弦だけで音を出す奏法なら、まさに左手がリズムを刻むことになります。
普通に左手で押弦し、右手で弾く時も、各音を出すタイミングに合わせて押弦するので、左手もリズムに合わせて動かしていると言えます。
一方、見落としがちなのは、押弦している左指を離すタイミングじゃないでしょうか。そこで今回のテーマは「リズムに合わせて左指を離す」です。
次の音の押弦に向けて、フォームチェンジ、ポジションチェンジが必要な時は、押弦している左指を「仕方なく」早めに離さなければなりません。こんな時はたいてい、次の音に神経が集中して、なんとなく左指を離してしまうことがあるんじゃないでしょうか。
僕が思うには、前の音をギリギリまで伸ばしておくことが重要なのではなく、早めに音を切ってしまってもいいけど、音を切る(左指を離す)タイミングを工夫することがポイントなんじゃないかと。それが「リズムに合わせて左指を離す」です。
また、左指を弦から離す時に何かしら「弦を離した時の音」がします。その音を積極的に音楽の一部にすることだって出来ます。「仕方なく音が切れてしまった」ではなく「意図した通りに音を切る」。ちょっとしたこだわりです。
文章ではわかりづらいと思うので、動画を作りました。初セリフ入り解説動画。(6分20秒)
リズム感のある演奏に向けて、こういうことも考えられるんじゃないかということを書いてみました。でもこれ、特に意識せずとも自然に実行している人は多いと思います。一度自分の演奏を確認してみてください。
解説動画で演奏した押尾コータローさんの「夕凪」ひよこアレンジはこちら(TAB譜付)