· 

ソロギターの記譜法を考える

 

いきなりですが、この楽譜、どうやって弾きます?(TAB譜は棒と旗の表記を省略)

おそらく、殆どの人はアルペジオをイメージして次のように弾くでしょう。左手は小節が変わるまでコードを押さえ続けています。

 

<演奏A>

 

でもこれ、楽譜通りじゃないです。

楽譜は、どの音も8分音符で書かれているので、楽譜に忠実に弾くなら、次のように各音を8分音符の長さで切るのが正解。

 

<演奏B>

 

 

ベース音を分けて書く方法もありますね。

これも、アルペジオのように弾くのか、下の音源のようにベースの音は伸ばしてその他の音は8分音符の長さで切るのか、は楽譜からはわかりません。

 

<演奏C>

 

      

では、演奏A(普通はこう弾く)を正確に楽譜に表すとどうなるか? 最初の1小節だけ記述してみます。

これは見づらすぎて現実的じゃありません。だから最初に載せた楽譜のように簡略化して書くのが普通になってます。

      

 

このように、ギターの楽譜は、楽譜を見ただけではどうやって弾いたらいいか、わからないことがあるんです。

 

具体的には、

①押弦している左指をどのタイミングで離したらよいかわからない

②開放弦をどのタイミングで消音したらよいかわからない

 

そんなことあまり気にしてないっていう方もいるかもしれないけど、演奏AとBの違いを考えれば、無視できないですよね。

この例は極端だとしても、上記①②を意識するのとしないのでは、音楽の完成度はかなり変わってくると思います。

 

でも、楽譜を見てもわからないんだったら、どうすればいいの? ってなリますよね。そこで上記①②を楽譜に表す方法を僕が考案しました!

 

TAB譜に新しい記号を加えます。

☑:このタイミングで押弦してる左指を離す

☒:このタイミングで消音する

 

<この記号を使って表記した演奏Aの楽譜>

最初の小節は ☑マークがないので、押弦した左指は小節の最後まで離しません。そして、2小節目冒頭の ☑マークのタイミングで左指を離します。3小節目の1弦に ☒マークがあリます。ほおっておくと1弦開放の音が鳴り続けてしまうので、このタイミングで消音します。

 

<演奏Bの楽譜>

かなり込み入ってしまいましたが、全ての音を8分音符の長さで切ることを示しています。4弦は開放を弾くので消音が必要。

 

 

僕は自分でアレンジした場合でも普段楽譜は書きませんが、人に弾いてもらいたい時は、これらの記号を使って楽譜を作ってます。素人おじさんの考えなので、これが一般的に認知され、利用されることはないと思うけど、自分ではいいアイデアかなと思ってます。

 

この記譜方法を使うかどうかは別として、押弦した左指をいつ離すのか、消音をどうするかは、演奏において重要なことだと思っています。このBLOGが、そんなことを考えるきっかけにもなれば幸いです。