演奏に表情を付けるってどういうことか。会話を考えてみると、嬉しいときは嬉しそうに話し、悲しいときは悲しそうに話す。話し方を意識しなくても自然とそうなるし、聞いてる人も話し手の感情を読み取れる。抑揚をつけて話したり、大事な単語を強調したり、自然にいろいろなことをやっている。音楽だってそれと同じ、って言いたいところだけど、そんな甘いものでもないと僕は思うのです。会話と演奏じゃ生まれてからの積み重ねが違いすぎる。楽器を完全に自分の体の一部のように操れる人は別として、僕ら凡人は、意識して、考えて演奏しないと演奏に表情は付かないと思います。
僕の場合は、感情を表現すること以外に、音楽的に何が綺麗か、何がかっこいいかの視点で考えることが多いです。言ってみれば、音符をどう並べるかと、表情をどう付けるかは同列なんです。アレンジの一環と言ってもいいかもしれません。
「表情」って言われても実際にどう演奏したらいいかわからないっていう方もいるかもしれませんね。それには方法論やセオリー(定石)があると僕は思っています。今回のBLOGで、僕が実際にやっていることを解説します。題材として、押尾コータローさんの「ちいさな輝き(ひよこアレンジ版※)」を使ってますが、この曲を知らなくても理解できる基本的な内容にしたつもりです。
解説動画は約30分あるので、時間のあるときに見てください。
※押尾さんの曲を初級者でも弾きやすいように僕がアレンジしたもの
<解説動画(33:05)>
最後まで見てくれた方、ありがとうございました。それぞれ感想は異なると思うけど、何か少しでも参考にしてもらえることがあったなら嬉しいです。
<動画の内容>
①イントロダクション(0:00~2:38)
・表情を付けるとは実践的にどういうことか
・演奏に表情を付ける4つの要素
②音の強弱(2:29~21:32)
・強弱を4段階で弾き分ける(2:51~)
・強弱の種類(4:32~)
1. メロディーと伴奏の音量差(4:57~)
2. フレーズの中の強弱(6:09~)
3. 曲全体の中の強弱(12:04~)
・フレーズの切れ目って?(16:43~)
・小節の頭以外にアクセントを(18:28~)
③音の長さ(テンポ)(21:33~29:39)
・リタルダンド(21:45~)
・テンポの揺れ(22:46~)
・音符の長さを変える(24:11~)
・ベースとメロディをずらす(27:35~)
④まとめ(29:40~33:05)
・一曲通して解説しながら演奏