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YouTube 視聴回数を伸ばすソロギ動画

2015年5月に始めたYouTube。自分の演奏の記録のつもりだったけど、そうは言っても当初は視聴回数が気になって、毎日のようにカウントを見てました(笑)。投稿するからには少しでも多くの人に聞いてもらいたいって気持ちはやっぱりあるからね。どうしたら視聴回数が伸びるか、タイトルの付け方、サムネイルの作り方、説明文の書き方、タグの付け方・・・、最初は細かいこともいろいろ考えてました。そのうち自分のパターンが決まってきて、視聴回数もさほど気にならなくなってきたんだけど、皆様の温かいクリックによって、2019年7月にチャンネル登録者数が1,000名を超えました。正直ここまで伸びるとは思ってなかったので自分でびっくりしてます。ありがとうございます!

 

1,000人達成記念で、今回はYouTubeの視聴回数の話を。ソロギ演奏動画の視聴回数はどうしたら伸びるか? 視聴回数を増やす一般的なノウハウはネットに沢山あるし、僕はそう言った知識があるわけではないので、自分の演奏動画の視聴状況から言えることを書いていこうと思います。

 

結論から言うと、次のことかなと思います。

①地道に演奏動画を投稿し続ける

②人気が高い曲を演奏する(例えば「糸」)

③視聴者に有益な情報を提供する

なーんだ、そんなの最初からわかってるよって言われそうですが、小細工で何とかするのは限界がある気がするんですよね。演奏の良し悪しも当然関係すると思います。

 

僕はデータを分析することが結構好きなんです。統計とかも好き。そんなわけで自分のYouTubeチャンネルの視聴データを分析してみたので、ここから先はその結果をお届けします(2019年7月迄の視聴データを分析)。ソロギター演奏動画に特化したデータ分析はそうはないでしょう。自分でもよくぞ分析したなって思います(笑)

 

僕はYouTubeで収益化もしてないし視聴回数が少なくても問題はないんだけど、全く気にしないかと言うとウソになります。YouTubeに投稿する目的は人それぞれと思うけど、皆さんの中で、きちんと演奏しているのになかなか視聴回数が伸びない、もっと増えるといいなと思ってる方がいれば、何かの参考になるかもしれません。

 

いつものように大変話が長いので、視聴回数なんて関係ない、自分が好きなように投稿するだけって方は先に進まないほうがいいです(笑)

 

それから、こんな内容のBLOG書いて自慢したいだけなんじゃないの?って思われる方もいるかもしれませんね。まぁまぁ、そういうこともね〜(笑)

 

★ 僕のYouTubeチャンネル(動画一覧)

 


(1)地道に演奏動画を投稿し続ける

下のグラフは、僕のYouTubeチャンネルの月間視聴回数と、チャンネル登録者数の推移を示したものです。時期を追う毎に視聴回数・チャンネル登録者ともに指数的に増加しています。

後でも説明しますが、YouTubeは視聴回数が増えてチャンネルが育ってくると、更に視聴回数が増える構造になってます。金持ちにはお金が集まる的な感じですね。

ここから言えるのは、まずは地道に演奏動画を投稿し続けることが必要ってことだと思います。僕はチャンネル登録者数1,000人達成までに4.2年、演奏動画49本、平均すると1ヵ月に1本のペースで投稿してきました。

(2)人気が高い曲は視聴回数も多い

当たり前のことを言ってますが、実際にこんなことを考えて投稿することは少ないと思います。でも視聴回数を重視するなら、楽曲そのものの人気度(有名度)が一番関係するみたいです。

次のグラフは僕が投稿した各演奏動画の視聴回数です。投稿してからの経過期間も視聴回数に関係するはずなので、動画公開日をX軸にしてプロットしてみました。

視聴回数トップは「糸」。この曲は2015年と2018年に別バージョンで2回投稿していて、それらが1位と2位になりました。糸は人気曲なんですね。また、全力少年、TRUE LOVE、ロビンソンと言ったJ-POPの有名曲が上位を占めてます。

TAB譜を載せた動画は視聴回数が増える傾向にあります。でも、"We are all alone" はTAB譜付でも視聴回数はさほど伸びませんでした。逆にTAB譜なしでも、全力少年やTRUE LOVEは沢山の方に聞いて頂きました。やはり曲自体の人気に関係してるんだと思います。

 

ソロギター曲のコピーは、押尾コータローさん・矢後憲太さん等18曲投稿しているんだけど、哀しいかな全部グラフの下の方です。視聴回数上位を占めた J-POPのアレンジものには遠く及びません。ソロギター曲を知ってる人の絶対数が少なく、あの曲聞いてみたいと検索する人が少ないと思われること、知っている人はコピー演奏じゃなくて本物を聞くだろうことが理由なのかなと思います。僕自身は、他の人がどんな風にその曲を演奏してるんだろうって興味があってソロギ曲のコピー演奏も聞いてるけど、絶対数としては多くないんでしょうね。

 

僕が投稿したソロギ曲コピーの中では、一位は押尾コータローさんの「えんぴつと五線譜」。これは楽譜が出る前に投稿したものだからでしょう。最近の投稿でも、耳コピで弾いた押尾さんの「夕凪」は健闘してます。

 

TAB譜も、耳コピ演奏も、視聴者に有益な情報を提供していることになるんだと思います。「ギター4本弾き比べ」っていう動画、ギターの音の違いを紹介してるんだけど、こういうのも一定の需要があるみたいです。

 

次のグラフは、各曲の月間視聴回数の時系列推移。

人気のある曲は、動画公開して時間が経っても視聴回数が落ちません。新しい人が動画を見つけて聞いてくれてるんだと思います。ソロギ曲(グラフでは夕凪と黄昏)は動画公開直後は視聴回数が跳ね上がるけど、それ以降は低下しちゃいました。

 

視聴回数はかなり波があるんですね。これはYouTubeの仕組みにも関係してると思うんだけど、一時の視聴回数で一喜一憂するんじゃなく、長い目で見たほうが良さそうです。

(3)動画を聞いてもらうきっかけ

どんなにいい演奏でも、動画を見つけてもらえなければ聞いてくれません。次の表は、何を介して僕の動画にたどり着いたかを示したものです(YouTubeではこれをトラフィックソースと呼ぶ)。

※2019年1〜7月の視聴データ

全動画で見ると検索経由が1位。

2位の関連動画は、YouTubeで動画を見ている時にお勧めとして表示される動画のこと。

3位のブラウジング機能は、主にYouTubeトップページ(最近のアップデートや自分が登録しているチャンネルなどから、視聴者毎のおすすめ動画が表示されている)からのアクセスです。

 

曲によって傾向が違うのも面白いですね。視聴回数上位の曲は、検索や関連動画経由が多いようです。「糸 (1st ver.)」は関連動画経由の比率が異様に高い。チャンネルページ(僕のYouTubeチャンネルのトップ画面)経由は、押尾さんの「夕凪」コピーが頑張ってます。比較的最近の動画なんで、新着情報で見つけてくれたんでしょう。

(4)検索ワード

具体的にどんな検索ワードでヒットしているかを見てみました。

※2019年1~7月の視聴データ

やはり「ソロギター」が多いですね。僕はタイトルにも「ソロギター」と入れることが多いですからね。「フィンガースタイルギター」で検索してる人もいると思うけど、僕はこの言葉は使ってないので、上位ワードには出てきませんでした。でも試しに「糸 ソロギター」と「糸 フィンガースタイルギター」で検索してみたら、上位に表示される動画はあまり変わりませんでした。Googleさんは曖昧検索をしてくれるから、同じ意味の言葉なら両方ヒットするのかな。

 

もしかしたら僕が使っていない言葉で、他にもよく検索されるワードがあるかもしれないけど、このデータからではわかりません。言えることは、タイトルや動画の説明文に「ソロギター」と入れておいて損はないってことかと思います。

(5)関連動画

次は、関連動画経由のアクセスについて、元の動画は何だったかです。

※2019年1~7月の視聴データ

「糸 (TAB付)」は、他の方が演奏している「糸」から飛んできてくれてます。元の動画はと言うと、仲内拓磨さん、龍藏さん、城直樹さんなど、何十万アクセスもゲットしている有名な方ばかり。そのおすそ分けにあずかってる感じですね(笑)。感謝です。

と言うことは、視聴回数が多いソロギター動画を探して、それと同じ曲を弾くと、関連動画で聞いてもらえる可能性が高くなるかもしれません(同じ曲を弾いているライバルが少ないほどよい)。

 

データ見て面白いなと思ったのは、「K.Yairi Nocturne 試奏」という動画から、僕の「糸(1st ver.)」に流れて来てくれた方が多いこと。試しにYouTubeで K.Yairi Nocturne と検索してみたらこの試奏動画が上位に出てきました。視聴回数は2万弱(2019年8月現在)。ギターの音色の情報を求めてる人が結構いるんですね。僕の「糸」は Nocturne で弾いていて、動画の説明文にも使用ギターを書いているので、関連動画として表示されたんでしょう。 

(6)視聴者の画面に表示されるには

ところで、検索ワードがヒットしても検索結果の上位に表示されないと視聴者の目には触れません。例えば「ソロギター」でヒットする動画は山のようにあるはずです。YouTubeが何を検索結果の上位に表示するか詳細なロジックは明かされてないんだけど、人気の動画、人気のチャンネルを優先し、更に各視聴者の趣向を考慮して、各々表示する動画を変えているようです。

 

例えば、僕が「糸」で検索すると、糸のソロギター動画(※)が上位に表示されます。「under the sea」で検索すると、ディズニー動画に混ざって矢後憲太さんの動画(※)が表示されます。どの動画が表示されるかは検索する人によって異なります。Googleさんは僕がソロギターが好きで、矢後さんが好きなこと知ってるんですね。実際は僕が普段、ソロギターや矢後さんの動画チャンネルをよく見てるからでしょう。(※:視聴回数が多く人気のある動画)

関連動画の表示対象も同じような仕組みで決められていると思います。

 

何かのきっかけで一つの動画を見る。その動画が気に入れば、そのチャンネルの他の動画も見るかもしれない。自分がよく見るチャンネルの動画は、検索結果・関連動画・トップ画面に表示されやすくなるので、同じチャンネルの他の動画を目にする機会が増える。

そんな感じで各曲の視聴回数が伸びていけば(動画の人気が高まれば)、他の視聴者の画面に表示される機会も増える。皆が好きな人気の高い曲なら、検索結果や関連動画に表示される回数も多くなるので、上手くすれば爆発的に視聴回数が伸びるかもしれない。そうすると他の曲も更に見てもらうチャンスが増える。

人気が出始めると更に視聴回数が伸びる。まさに、金持ちにはお金が集まる的な仕組みですね。

 

ここに書いた話は2019年時点のYouTubeの仕組みです。その昔のYouTubeは、検索ワードへの適合度合や、視聴中動画との関連度合が高いものを素直に表示していたように思います。現在は、視聴者が次から次へと動画を見ていくことを狙った仕組みになっているようです。今後更に仕様が変わる可能性もあると思います。

(7)平均視聴時間

ここまで、視聴回数と演奏の良し悪しの関係については一切触れませんでした。動画を再生するまでは演奏の良し悪しはわからないんだから、なんとかして動画をクリックさえしてもらえれば、例え演奏がボロボロでも視聴回数は増えることになります。そこでGoogleさんは考えました。良い動画(人気のある動画)は視聴時間が長くなり、悪い動画はすぐ再生を停止されてしまうはずだと。そこでYouTubeでは、各動画の人気度を総再生時間(各動画の視聴時間の合計)で判定するとしています。よって検索結果や関連動画の上位に表示されるようにするためには、視聴回数をかせぐだけでなく視聴時間も長くならないといけません。

 

僕の演奏動画の平均視聴時間がどの程度なのかを見てみました。曲によってそもそもの動画の長さが違うので、X軸を曲の長さ、Y軸を平均視聴時間にして、各曲の状況をプロットしたのが下のグラフです。

全員が演奏動画を最後まで視聴してくれたとしたら薄いオレンジの線になります。実際は最後まで見てくれる人もいれば、すぐ再生停止してしまう人も沢山いて、平均すると1曲の長さの半分も聞いてくれていません。他の方のYouTubeチャンネルがどういう状況なのかは投稿者ご本人にしかわからないので、他と比較はできないんですが、これが各演奏動画の魅力度を表していると言っていいんでしょうね。

 

薄い緑色の線が僕の全動画の平均を表した線です。この線より上は、比較的長い時間視聴してもらえた動画ということになります。注目されるのは、視聴回数のほうはアレンジものが優勢だったのに対し、視聴時間はソロギ曲のコピー演奏が健闘していること。矢後さんの「ヒロガルセカイ」や「こころ」、押尾さんの「With You」「夕凪」は平均よりも長い時間視聴してくれています。自分でもギターを弾かれる方が興味を持ってくれたんだと思います。これはうれしい。

(8)高評価数

動画の人気度の判定には「高評価」の多さ(および「低評価」の少なさ)も使われているはずです。下のグラフは、X軸を視聴回数として、各曲の高評価数をプロットしたもの。

視聴回数と高評価数は概ね比例関係にあることがわかりました。なんか安心する結果(笑)

薄い緑の線が全動画の平均。試しに60回視聴されてその内の1人が高評価をした場合の線を薄いオレンジで示してみました。視聴回数が5,000回以上の動画でこの線を上回った動画が2つ。

一つは「きーちゃんと一緒に」。この動画は我が家で飼っていたセキセイインコのきーちゃんを登場させた動画で、明らかにきーちゃんが高評価を得てます。だって、きーたろうは本当に可愛かったから(笑)。こういうのも視聴回数や高評価を増やすための一つの方法になりますね。

もう一つは「ロビンソン」。これは僕のアレンジですが、結構頑張ってアレンジしたものだったので高評価を得られてうれしいです。 

(9)チャンネル登録 有 vs 無

チャンネル登録者数を増やしたいと思う人は多いと思います。では、チャンネル登録者は動画を見てくれているのか? チャンネル登録状況別の視聴回数、僕のチャンネルだとこんな感じ。

全視聴回数の内、チャンネル登録者の占める割合は平均すると1割未満。意外に少ないんだなと思いました。でも、よく考えてみればそれもそうで、1,000人のチャンネル登録者全員が見てくれても1,000回なわけです。視聴回数の多い「糸(TAB付)」は、チャンネル登録者の視聴回数が約2,000回なので、うれしいことに 2回以上見てくれた方がいます。一方「黄昏」については、チャンネル登録者1,000人の中で見てくれたのは 3割未満。そんなもんなんです。

但し、チャンネル登録者の数が多ければ、おそらく人気のチャンネルと判定され、検索結果や関連動画に表示される可能性も高くなると思われるので、やはり登録者が増えるのはいいことだと思います。

 

なるほどと思ったのは動画の視聴時間。チャンネル登録なしの方の平均が 1:31 であるのに対し、チャンネル登録ありの方の平均は 1:48。かなり違います。チャンネル登録してくださっている方はある程度長い時間聞いてくれてるけど、チャンネル登録なしの方は動画をすぐ停止してしまう方が多いってこと。うれしいやら悲しいやらですね。

(10)まとめ

一定の演奏レベルにあることを前提に、①ある程度の曲数を投稿し、②その内の何曲かは皆が好きな人気の高い曲にする。視聴回数を増やすには、これらが有効なようです。当たり前と言えば当たり前の結果ですね。

 

参考までに僕がYouTube投稿で注意していることを書いておきます。

・ジャンルを固定(ギター演奏に限定)

・定期的に投稿

・一定の演奏レベルを確保

・サムネイルをきれいに作る

・説明文をきちんと書く(検索ヒットにも有効)

※僕はYouTubeのサブチャンネルも作ってあるので、上記条件に合わない動画はサブチャンネルに投稿してます。

 

今回改めて全曲の視聴回数を眺めてみたけど、必ずしも自分が良いと思っている演奏やアレンジの視聴回数が多いわけじゃないんです。要は曲自体の人気なんです。そう考えると視聴回数を気にするのもあまり意味がないかなって思うし、楽しくなくなっちゃう気がします(と言うことで僕はせっせと自分の弾きたい昭和歌謡を投稿(笑))。

一方で、せっかく投稿してるんだから視聴回数は少ないより多い方がいいでしょう。より多くの人に聞いてもらいたいという気持ちがあるならば、視聴回数を気にした取り組みをしていくのも悪いことじゃないと思います。

 

以上、大変長文になってしまったけど何かの参考になればうれしいです。ここまでお付き合いくださった方、ありがとうございました。