~ソロギター界を見つめて~
「真面目にソロギ話」シリーズは生意気キャラでいこうと思ってるんだけど、今回は殊更に生意気です(笑)。でも僕がいつも考えてることなんで、相当長いですけど読んでもらえたら嬉しいです。
(1)ソロギターの楽しみ方
ソロギター、アコギの楽しみ方っていろいろありますよね。みなさんはどれが該当しますか?
①好きな曲をどんどん弾きたい
②弾きたい曲は難しくてもチャレンジしたい
③ソロギでの音楽表現を楽しみたい
④超絶技巧の曲を弾きこなしたい
⑤特殊奏法を極めたい
⑥YouTubeやSNSに演奏を投稿したい
⑦ライブやオープンマイクに出たい
⑧ギター仲間とギター談義がしたい
⑨ギターでセッションがしたい
⑩オリジナルのソロギター曲を作りたい
⑪自分でソロギターアレンジをしたい
⑫沢山のギターを見たり弾いたりしたい
⑬ギターを買いたい
⑭ビンテージギターをコレクションしたい
⑮材やブレーシングの違いに詳しくなりたい
⑯ギターを自分で作りたい
⑰プリアンプなどの機材を研究したい
⑱好きなアーティストの演奏を沢山聞きたい
⑲ギターの匂いをかぎたい
⑳ギターに関する生意気なBLOGを書きたい
書きだしたらキリないですね。
僕はと言うと、全く興味がないのは⑭⑮⑯。あまり興味がないのは④⑤⑦⑫⑰。ってことは⑲(ギターの匂い)にも興味あるってことになりますね。おんなじ趣味の人がいたら是非教えてください(笑)。今この瞬間は⑳(生意気なBLOG)です。
趣味なので楽しみ方は自由。どれが高尚とか、どれをやるべきとか、そういうのはないと思います。ギターの匂いをかぐのも恥ずかしがることはありませんよね(笑)
(2)プレイヤーとミュージシャン
前置きで無駄に行数使いましたが、ここからが本題です。
大きなミスなく、リズムをキープして弾ける曲が何曲かあるレベルの方を前提として、次の3つに着目したいと思います。
①好きな曲をどんどん弾きたい
②弾きたい曲は難しくてもチャレンジしたい
③ソロギでの音楽表現を楽しみたい
好きな曲は自分で弾きたいと思うもの。練習して弾けるようになったら、それはすごく楽しいですよね。カッコいい曲はたいてい難しいから、難易度の高い曲にもチャレンジしたくなる。演奏の完成度には多少目をつぶっても、どんどん新しい曲に取り組みたい。①②派の人はこんな感じだと思います。どちらもギターを弾く行為に主眼があるのかもしれません。ここではこれを「プレイヤー派」と呼ぶことにします。
一方③は、フレーズの歌わせ方を考えたり、音の強弱とか消音とかリズムの取り方などを考えてみたり。そういった音楽的なことに興味が向く人。自分の個性で自分なりの表現をしたい人。自分が出した音に気を配り、自分が演奏した結果への関心が高い人。主眼は「音楽」。ここではこれを「ミュージシャン派」と呼ぶことにします。
こんな風に言うとミュージシャン派の方が上のように見えるかもしれないけど、そういう志向があっても、難しい曲は弾けないとか、弾ける曲の絶対数が少ないっていう人もいます。だからどっちが上とか下とかではないですね。プレイヤー派かミュージシャン派かは、技術の高低とは関係しないと思います。
要するにこれは趣味嗜好の違い。例えば①派の人が一年で20曲弾くとしたら、③派の人はもしかすると5曲しか弾けないかもしれない。そうすると「細部にこだわるより、どんどん曲を弾いていくほうが楽しい」って思う人(プレイヤー派)が多くてもおかしくないと思います。
そもそも、どちらかを選ぶ必要はないわけで、出来ることなら両立したいと思うのが普通。上手い人なら、音取りの段階から表情付けをしていき、どんどん曲を仕上げていってると思います。
また、「プレイヤー、ミュージシャンのどっちも目指していない、ギターを楽しみたいだけ」っていうのも一つの答えのように思います。
(3)ソロギター界を眺めてみる
それでも敢えてプレイヤー派とミュージシャン派に分けて、話を進めたいと思います。僕は、演奏にどう表情を付けるかなどを考えるのが楽しい(ミュージシャン)派なので、その視点に立ってソロギター界を考察してみます。
既製曲のコピー(原曲をアレンジせずに演奏する)を楽しんでいる人が多いという点では、ソロギターとクラシックピアノは似ています。両者を比較してみると、ピアノの世界に比べ、ソロギター界は「プレイヤー派」が圧倒的に多いんじゃないかと僕は感じています。
クラシックは同じ曲をいろいろなアーティストが演奏します。例えば好きなピアノ曲があれば、ピアニスト違いで同じ曲のCDを何枚も揃えるのは珍しくないと思います。ピアニスト毎の表現の違いを楽しむわけです。
これはプロの演奏を聞く時だけでなく自分で演奏する時も同じ。クラシックピアノを習った人は、音符が拾えればいいじゃなくて、強弱とかを意識した練習をしてきたはず。初心者はともかくとして、少し弾けるようになってくると音楽表現が上達のテーマになってくることも多いと思います。クラシックピアノ(の教育)では「ミュージシャン派」が普通なのかもしれません。クラシックギターもピアノほどではないにしても、その傾向があるんじゃないでしょうか。
ではアコギ・ソロギターの世界はどうか。アマチュア層では音符が弾けることがゴールになっていることが多い気がします。これは初級者だけでなく中級者も。テクニックはすごくあるけど音楽的に見るとどうなんだろう?っていう印象を受けるケースもあります。
そもそもソロギター人口が少ないから仕方ない面はあるけど、ミュージシャン派が少ないというのは、音楽の世界の中でソロギター界は未成熟だなと思うのです。
(4)ミュージシャン派が少ない理由
その理由を僕なりに考えてみました。
◆クラシックとポップスの違い?
これはかなり関係してると思います。まず教育メソッドの違いがありそうです。また、楽譜の影響も大きい。クラシックの楽譜には強弱など表情付けに関する記号が書かれてることが多いけど、ポップスの楽譜には殆どない。そもそも、電子楽器を使った打ち込みサウンドをイメージすると、個々の楽器の表情付けなんて存在しないとさえ思えたりする。
じゃぁポップスは自分なりの音楽表現というものが存在しないのかと言うと、そんなはずはありません。バンドならアレンジ全体で音楽が表現されているし、ドラムの叩き方やギターの弾き方など個性は沢山あります。
歌ものポップスのカバーだって、「この人が唄うとこの曲はこうなるんだ〜」っていう発見とか感動があったりします。カラオケだって歌う人の個性が出る。普通のおじさんが感情込めて歌い上げるなんてのは珍しくもない光景。「ここで息継ぎしたらおかしいよな」とか考えながら歌うのも普通のことと思います。そこには音楽を表現する行為が必ずあるんです。
◆技術的に難しい?
弾くことに精一杯で演奏に表情を付けてる余裕なんてない。これが一番多い理由なのかなと思います。でも、ある程度の経験者なら、自分のスキルで多少の余裕を持って弾ける曲の一つや二つはあるはず。だから表情を付けてる余裕がないというのも必ずしも正しくはないと思います(曲の選び方による)。
◆趣味性の高さ?
ピアノ始めるって少し構えちゃう感じがあるけど、アコギはとっつきやすくて気軽に始められる。音楽を勉強するんだ!なんていう志でアコギを始める人は殆どいないでしょう。要するに趣味性が高いんだと思います。だから「真剣に・専門的に音楽と向き合う」なんていう言葉が馴染まない雰囲気があります。
でも、音楽表現を考えるって、そんな真剣で専門的なことか? カラオケで歌う時は多かれ少なかれ皆やってますよね。
と言うことで、一つずつ反論を加えてみましたが、ソロギター界はプレイヤー派が多くなる土壌があるのは間違いなさそうです。結局は、趣味として楽しいことは何か? に尽きるんでしょうね。
自分のレベルに合った曲を見つけて時間をかけてでも完成度を高めるのが楽しいか、弾きたい曲にどんどんチャレンジしていくのが楽しいか。やっぱりどっちもアリですね。
(5)僕の想い
僕はここで言うところのミュージシャン志向です。音楽的なものを追求することに楽しみを感じます。だからと言って、みんなもそうすべきだとか、それを勧めたいとか、そういう気はありません。人それぞれの楽しみ方があり、楽しいことが一番だから。
でも、僕と同じ考えの人が沢山いると楽しいなとは思います。この人はこの部分をこう解釈してこう弾いてるんだ、あの人はまた違った弾き方してるな、でも僕ならその部分はこう弾く、、みたいなことを考えたり、時には語り合ったり。そういうことって楽しいと思うのです。
以上、長々と書いてしまいました。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。もし共感してくれる人がいれば嬉しいです。
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