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上原ひろみさんのピアノが好き

 

日本が世界に誇るジャズピアニスト上原ひろみさん。その昔、YAMAHAのテレビ CMで初めて観て、一瞬でとりこに。新しいCDが出ると必ず購入し、ライブにも定期的に行っているアーティストの一人です。

ピアノトリオ(ピアノ+ベース+ドラム)を主体とするなど、バンド編成や曲の構成はジャズの定番フォーマットを踏襲してるんだけど、上原ひろみさんの音楽はジャズの枠を超えたジャズという感じがします。

 

上原ひろみさんと言えば、全身でピアノに挑む迫力、超速弾き、それから激しい髪型(笑)っていうイメージがあると思うんだけど、他にも魅力をあげたらきりがありません。

 

(1)まずテーマのメロディーが好き。カッコよかったり哀愁漂ってたり。それが、歌のようにすんなり入り込んでくる。そこはやっぱり日本人の作る音楽なんだなって思ったりします。

 

(2)逆にこれは絶対普通の日本人じゃないって思うのがリズム。上原ひろみさんの曲は変拍子が多いんだけど、それが並大抵の変拍子じゃない。例えばジャズの名曲「テイクファイブ」は5拍子(3+2)だけど、4分の5拍子だから手拍子は出来ます。でも上原ひろみさんの変拍子は絶対に手拍子出来ません。めちゃくちゃ複雑。ある曲は16分の27拍子なんだとか。おじさんには到底考え付きません。でも何がすごいって、こんな変拍子でも奇怪な感じは全くなくて、極々自然に流れていくんですよね。

 

(3)セッション演奏が緻密。基本はアドリブなんだけど、キメのメロディー・キメのリズムは相当練り上げられてる感じがします。しかもそれが複雑な変拍子だったりする。更にドラムとベースとピアノが違うリズムを合わせてたりする。異次元の感覚です。

 

(4)ピアノの音が多彩。鍵盤を押すとハンマーが弦を叩いて音が出るっていうピアノの構造上、そんなに違う音が出るはずないと思うんだけど、尖った音・柔らかい音、コロコロした音・ねちゃっとした音・・・。その多彩さにほんとびっくりしちゃいます。特に、上原さんの奏でるコロコロした音が僕は大好きです。

 

(5)何度でも聴きたくなる超速弾きソロ。The Tom and Jerry show に代表される速弾きソロピアノをかっこいいと思わない人はまずいないんじゃないかな。速いだけじゃなくアドリブの魅力が満載なのは言うまでもありません。

 

(6)激しい曲の合間に演奏されるバラードが素敵。上原ひろみさんが作るメロディは、情景が浮かんでくるような何とも言えない美しさがあります。ほんと素晴らしい。

 

(7)上原さんの仕草や表情。演奏しているときの何かに取りつかれたような表情はちょっと怖いぐらい。でもしゃべっているときはすごくおっとりしてる。そのギャップがたまりません。

 

という感じで、上原ひろみさん、ほんと素敵なミュージシャンです。これからも聞き続けていこうと思います! 

 


1ヶ月程前(2016/12/4)、上原ひろみさんのライブを聴いてきたので、そのことも書いておきますね。「SPARK JAPAN TOUR」東京国際フォーラムです。

 

今回のライブはトリオ3人のテクニックが目立ったと思います。特にドラムのサイモン・フィリップスがすごかった。席が比較的前だったこともあり、サイモンの技を堪能。普段ドラムを注意深く聞くことがない僕がこういう感想を持つのもライブならではだね。

 

そして3人の絡み、あの変拍子、超人としか言いようがありません。この絡みについて、Twitterですごく上手いこと言ってる人がいました。

〜 縄とびで「二重跳び」をしているサイモンの間合いに「三重跳び」で入り込んで、2人のタイミングを合わせるために、結果「六重跳び」になっているという凄まじさ!

まさにこれです。

      

バラードの「Wake up and dream」も幻想的で素晴らしかった。大ホールにピアノ音だけが響き渡る。目をつぶって聞きたくなる感じ。グッときました。


上原さんの気迫あふれるアドリブ、動と静のピアノの音、トリオの技と絡み。その場限りの音楽を目と耳で味わう。ライブはいいですね。