<CUBASEを使った音作り 第3回>
今回は YouTubeにアップした中森明菜の「飾りじゃないのよ涙は」の音作りの話。音を加工していく過程を動画にしてみたので見てみてください。イヤホンかヘッドホンで聞いて頂ければと思います。いつも書いてることですけど、素人の試行錯誤なんで間違ったこと言ってるかもしれません。そのつもりで見てくださいね。
録音はいつもと一緒。SKYSONIC Pro1のマグネとピエゾをレコーダーに 別々にライン入力し、同時にレコーダー付属のマイクで生音をステレオ録音しています。計4chです。
エフェクトはCUBASEを使ってマグネ・ピエゾ・生音それぞれ別々に調整。イコライザーはいろいろ調整してますが、特にマグネの低音(100hz付近)を大きくブースト。コーラスはマグネにのみ利用。リバーブはマグネを長め・多めに、ピエゾは短め・少なめに、マイクは短め・中程度に。それからピエゾには歪み系のエフェクトを薄く掛けました。少し専門的になるけど、今回コーラスはインサーションエフェクトにして、リバーブをセンドで掛けてます。
音量バランスは、マグネと生音が同じ位、ピエゾは少なめにしてありあす。そして4chをミックスした状態で、マルチバンドコンプレッサで特に低音が厚くなるように調整して音圧をグッと増加させました。ここまでが基本のエフェクト。
更に今回は、曲の途中で部分的な調整をいくつかしてます。
まず、歌詞がある部分と、その合間のエレキギターのフレーズとで雰囲気を変えるために、部分的にエレキっぽい音を追加してみました。動画で「エレキイメージ音」と書いた部分です。細かい話になりますがDAWソフト上には4レーンある状態になってます(①マグネ、②エレキイメージ音、③ピエゾ、④生音Stereo)。①と②の音源は同じマグネの音です。②には歪系のエフェクトとコーラスを掛け、イコライザーは中域を持ち上げました。DAW上の実際の操作としては、②の音を加えたい部分だけ、②のボリュームを上げてます。
そして今回の目玉はエンディング前の部分。マグネ(①)のエフェクトを動的に変化させてます。やったのは、パンを使って音を左右に振る、この部分のみリバーブへのセンド量を増加させる、そして最後の部分にフランジャーを掛ける、です。フランジャーはテンポに合わせて音が下から上に一回だけ上昇するようにパラメータを調整、更にパンでフランジャーの音が左から右に動くようにしています。
実はフランジャーを使った部分、本当は左手のスライドで音が下から上に上がるように弾きたかったんですよね。でも、運指の都合上それが出来なくて、仕方なくエフェクターに頼ることにしたのでした(^^;
それから、マグネと生音の音量バランスを調整してます。イントロが終わってAメロに移ったところで生音の割合を増加させてるなど。メロディーを歯切れよくしたかったのと、イントロとメロディーのコントラストを出したかったので、そうしてみました。
こんな具合で今回は音作りに相当凝ってみたんだけど、これがやってると楽しくてね。凝りだすとキリないです。そんなに音加工しちゃって「ごまかしじゃん」とか、「実際に弾けないような音にしちゃって満足なの?」とか、いろいろ考えもあるかもしれないけど、僕はこうやって音楽を作っていく過程が楽しいし、出来上がった音を聞くのも楽しいんです。「これ、本当に自分で弾いた演奏? すごくない?」ぐらい思っちゃったりしてますから(笑)
参考までに、「飾りじゃないのよ涙は」をレコーダーで録音した生音、一切加工なしの動画も作ってみました。これはこれでいいんだけど、やっぱり迫力が今一歩だよね。
今回は相当マニアックでしたね。
ここまで読んでくださった方、お付き合い頂きありがとうございました!