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音の加工① コンプを使ってみる

<CUBASEを使った音作り 第1回>

 

録音メモシリーズ。前回は僕のアコギ宅録方法を紹介しましたが、これからはCUBASEを使った実際の音作りについて、いくつか書いていきたいと思います。

 

★ 僕のアコギ宅録方法

 

今回はエフェクトの内、コンプレッサーの効果について動画を作ってみました。僕は録音について詳しいわけじゃないし、エフェクトの掛け方も試行錯誤してるところなんで、その前提で見てください。イヤホンかヘッドホンで聞いてもらえればと思います。

 

<動画の解説>

①SKYSONICのPro1(アコギピックアップ)をレコーダーに直接つないで録音した音。マグネとピエゾはだいたい同じ位のボリュームでMIXしてあります。動画では「エフェクトなし」と書いてありますが、軽くイコライジングだけしてます。この時点ではモノラルです。

 

②リバーブをかけた音。僕はあまり強くリバーブをかけるのが好きじゃないので軽めにかけてます。このリバーブはステレオ出力なので左右の広がりも出てきます。

 

③今回のテーマであるコンプレッサーをかけた音。コンプレッサーを掛け過ぎるとどうなるかも実験しました。ここまではストローク系の曲、押尾コータローさんの「SPLASH」を題材にしています。

 

④爪弾きの曲でコンプレッサーの有無を比較。曲は「風の谷のナウシカ」です。

 

⑤最後に僕がいつも使っている「マルチバンドコンプレッサー」を使った音を載せました。

 

尚、今回はコンプレッサーの効果をわかりやすくするために、アタックタイムを短めに設定したので、多少違和感があるかもしれません。

 

それでは動画を見てください。 

 

エフェクターを使うとしょぼい演奏でも上手く聞こえるようになったりするけど、その中でも僕はコンプレッサーが決め手なんじゃないかと思ってます。

コンプレッサーは、一定レベル以上の音量を圧縮するエフェクター。これにより音の大きい部分と小さい部分の差が縮まります。そして圧縮した分だけ全体の音量を底上げすることによって、いわゆる「音圧が高い」状態にすることができます。ギターはもともと線の細い楽器だし、ソロギターはバンドなんかと比べると音も少ないから、録音するとなんとなくスカスカの感じになっちゃうことがあると思うんですよね。コンプレッサーを使うと密度の濃い、迫力のある音になるイメージです。

 

特にストローク系の曲は、音量を一定に保って弾くのが難しいのと、迫力を増したいことから、僕は積極的にコンプレッサーを使っています。

 

一方、爪弾きの曲はコンプレッサーの利用が効果的な曲もあれば、逆効果の曲もあります。生演奏でのダイナミクスの変化量がコンプレッサーで縮まってしまう面があること、コンプレッサーの掛け方にもよりますがピッキングのアタック感が失われてしまうことがあること。この点を考えてコンプレッサーの利用有無やパラメータの調整の注意が必要と思います。

 

コンプレッサーはパラメータの設定が結構難しいです。同じパラメータでも、コンプレッサーに入力する音源の音量によって、コンプの掛かり方が変わるので、都度パラメータを調整しないといけない。動画の途中でコンプをかなり強くかけたものを載せましたけど、圧縮しすぎて、ちょっと不自然ですよね。動画の赤い矢印の部分に、コンプレッサーがどれだけ音量を圧縮したかが表示されてるんですけど、僕はこのメーターを見ながらパラメータを調整してます。

 

動画の最後は、僕がいつも使っている「マルチバンドコンプレッサー」を使った音です。低・中・高の周波数帯域(音の高低)毎にコンプの掛かり具合を調整できるものです。低音部分にコンプを強めにかけて、低音の厚みを増したつもりです。(強めにコンプをかけると音量が圧縮されるので、その分音量を持ち上げる必要がありますが、その調整を自動的にやってくれる機能があります)

 

ボーカルやエレキギターなど、一般的にコンプレッサーはリバーブやコーラスの前に掛けることが多いと思いますが、今回の動画ではイコライザーとリバーブを掛けた後、最後の調整でコンプレッサーを使ってみました。

実際に僕がどうしてるかと言うと、まず音量が突出してる部分を抑え込むために、入力段階でスレッショルド高め・レシオ大きめ・アタックタイム短めのコンプをかけます(リミッター的な使い方)。そしてリバーブなどのエフェクト処理の後ろで、マスタリングとしてマルチバンドコンプレッサーで調整をかけています。マスタリングでコンプをかけるということは、リバーブの音のレベルもコンプで調整されるということ。パラメータの調整次第でかなり音圧の高い音にすることが出来ます。

  

少し話はそれますが、YouTubeなどを見てると、音が大きすぎて歪んじゃってる動画や、逆に音が小さくて聞きづらい動画などを時々見かけます。もったいないなって思うんですよね。演奏が上手くても、音量調整が悪いと聞く気が失せることがあるから。動画をアップしてなるべく多くの人に自分の演奏を聞いてもらいたいと思うのであれば、音量の調整は大事なんじゃないかと思います。

 

それにしてもエフェクターは難しい。試行錯誤は続きます。