2002年7月28日、NHKホールで行われた槇原敬之/大貫妙子/矢野顕子のLIVEに行ったんです。そのオープニングアクト、見たことのない背の高いお兄さんがギター一本持って出てきました。当時、僕はアコギのソロギターにはあまり興味なくて、ソロギターなんてきっと寂しいんだろうな、オープニングアクトは適当に終わらせて早く本編始めようよ、ぐらいに思ってました。
ところが、音が出た瞬間、ホントに革命的な衝撃を受けたんです。パーカッシブな演奏、ズドーンとくる低音、メロディーとバッキングが何故か同時に鳴ってる・・・。これがアコギの演奏?、こういう世界があるんだ~って。一曲目が HARD RAIN だったんです(確かその時は、HARD RAIN、ウルトラマンメドレー、戦メリを弾いたと思います)。
もう興奮状態で、そのLIVEの帰りに渋谷のTOWERレコードに寄ってCD購入。まだメジャーデビューしたばっかりの頃で、店頭でCDが見つからなくて、お店の人に探してもらったのを覚えてます。
その年の10月には渋谷のライブハウスで行われた メジャーデビューアルバム「STARTING POINT」の発売記念LIVEに参加。会場には関係者と思われる方も多くて「押尾、よくぞここまでメジャーになったな〜」的な、押尾さんのデビューを祝う業界の空気みたいなのがあったように思います(相当僕の想像が入ってますが)。
そして演奏が始まり、「Fantasy! すごい」とか、「鉄腕アトム楽しい」とか、「ボレロ、これ聞きたかったんだよ」とか、「ティコはCDと違ってあそこにハーモニクスいれるんだ」とか、楽しさいっぱい、感動いっぱい。。 押尾コータローさんというミュージシャンに出会えて良かったなって思いましたね。
その頃僕は弾き語りなどでギターは弾いてたものの、ソロギターはやってませんでした。押尾さんのCDも聞き専門。というか自分で弾けるようなものではないと思ってました。それがしばらくして、この雑誌(ヤングギター)が発売されたんです。DVD付きで押尾さん奏法の解説が載ってる。さっそくギターを手にとってやってみたけどすぐに出来るようなもんじゃない。もう夢中で練習しました。デコピン奏法(ネイルアタックをそう呼んでたんですね)もコツをつかむのに相当苦労した。この雑誌がなかったら僕はソロギターを始めてなかったかもしれません。
それから STARTING POINT の曲をひたすら耳コピ。HARD RAIN のチューニングがわかって、自分のギターで解放弦をじゃらーんと鳴らしたときは、おー、これこれ!っていう感じで、それはそれは感動でした。ギターに燃えるようになった瞬間と言ってもいいかもしれません。
今ではすっかりメジャーになった押尾さん。聴き慣れてしまった感もないことはないけど、それでもあの時の興奮は無くなってません。どんどん進化する押尾さんを追いかけながらも、STARTING POINT は今でもやっぱり一番好きなアルバムです。
映画「船を降りたら彼女の島」の初日舞台挨拶に行ってゲットしたステッカー。スクリーンの前で押尾さんが木もれ陽とプロローグを弾いてくれました。
小沼ようすけさんと押尾さんのジョイントライブ後の握手会でもらったサイン。当時はライブ後の握手会も定番でしたね。