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まずはチューニング

演奏前に丁寧にチューニングするのと、ミスしないように練習を重ねるののどちらが簡単か。一方、多少ミスしてもチューニングがしっかりしている演奏と、ノーミスだけどチューニングが狂ってる演奏で、聞いてて心地よいのはどちらか。僕は前者です。

ということでチューニングのお話しを。

 

基本的にはチューナーを使うのが一番と思います。正確に合わせられます。でもチューナーが手元にない場合もあるかもしれません。スマホでもチューニング出来るけど、それがやりづらい環境の時もあると思います。

 

僕は昔からの慣習で普段はあまりチューナーは使わず、音叉を使って合わせることが多いです。音叉を使うのも面倒な時は弦どうしの相対的な音程のみで合わせます。その場合、絶対的な音程は不正確になりますが、弦どうしの相対的なチューニングが合っていれば、気持ち悪い響きになることはありません。チューナーをあまり使わないのは単なる僕のこだわり(その方がちょっとカッコいいかななんていう自己満足的な思いもあり)なんですが、チューナーを持ってきて、セットして、スイッチを入れて、とやっているよりも手早くチューニングが出来るメリットもあります。

 

オープンチューニングでチューニングを変える時、例えばレギュラーチューニング(EADGBE)から CGDGAD に変える時、4弦のDと3弦のGはチューニング変更前後で同じ音なのでペグ固定でよいかと言うとそうはいきません。6,5,2,1弦を緩めることで、4弦と3弦の音程が微妙に高くなってしまうのです。だから1~6弦まで全ての弦を調整し直さないといけない。

そんな時、4弦と3弦を固定し(ペグを回さないという意味)、4弦・3弦を基準に 6,5,2,1弦を相対的な音程差で合わせれば、調整が必要な弦を2弦少なく出来ます。全体的に音程が微妙に上になるので、他の楽器と合わせる時はこの手は使えませんが、ソロギターならば演奏に何ら問題はありません。僕はチューニングの違う曲を連続して練習する時は、4弦を固定し、他の弦を相対的に合わせることが多いです(僕が使うオープンチューニングは4弦がDのままのチューニングが多いため)。

 

説明が下手で何を言っているかわからないかもしれませんが、要するにチューナーを使わないチューニングも出来るようになったほうが便利なんじゃないかということ。

チューナーを使わないチューニング方法は教本にも書いてあると思いますが、僕がやっている方法を動画で紹介します(レギューラーチューニングのチューニング方法)。

 

4弦7フレットのハーモニクスを、音叉の音(「ラ」)で合わせて、その後いくつかの方法で他の弦をチューニングしていきます(前述のとおり一々音叉を使わないことも多い)。

基本は隣り合った弦をハーモニクスで合わせていく方法です(5弦の5フレと4弦の7フレ等)。ギターのチューニングは、2つの弦の音を同時に出して、音のウネリが無くなるように合わせていくわけですが、ハーモニクスだと音のウネリがよくわかるからです。

 

ただ、この方法には欠点があります。難しい話は省略しますが、「平均律」という仕組み上、7フレットのハーモニクスは実音と微妙にピッチが異なるため、7フレットのハーモニクスを利用すると正確なチューニングが出来ないということです(正しくは「正確な平均律には合わせられない」)。とは言えその差は微妙なので、4弦を基準に3弦を合わせるなど1回ぐらいの使用であれば実用上は問題ないと思っています。しかし6弦を基準に5弦を合わせ、5弦を基準に4弦を合わせ、4弦を基準に3弦を合わせと回を重ねていくと、狂いがどんどん広がってしまいます。

もともと2弦と3弦の間はハーモニクスでは合わせられないこともあり、4弦を基準に(4弦のペグは触らない)3弦・5弦を合わせ、5弦を基準に6弦を合わせるようにしています。

 

次はハーモニクスと実音を比べます。僕は、6弦7フレのハーモニクスと2弦解放を合わせ、5弦7フレのハーモニクスと1弦解放を合わせています。これも前述のように正確でない面があるのですが、気になるほどでもなく、半面チューニングが簡単というメリットがあります。

 

あとは実際に演奏してみて違和感がないかということで、オクターブで鳴らしてみたり、和音が気持ちよく鳴ってくれるかでチェックします。

 

でも、ここまできて問題が発生することもあります。ハイポジションでコードを鳴らした時にチューニングが合っていないように感じることがある。その原因として考えられるのは「フレット音痴」。例えば、1弦12フレットを押さえて出す「ミ」の音は、1弦12フレットのハーモニクスと全く同じ音程の「ミ」なのですが、これらが狂ってしまってる状態。フレットの打つ場所が正確でないとか、弦高が、異常に高いとそうなるのですが、今どきのギターでそんなものは無いと思います。

 

ではどういう時にそうなるのか。理屈はわかってないのですが、経験上ギターの弦が古くなってきたときにこの状態になります。こうなってしまうと、いくら真剣にチューニングしても、ハイポジションの音を使う場面でチューニングが合わなくなってしまいます。解決策は弦を変えることですね(笑)。但し弦の品質が悪いと、新品の弦でもフレット音痴の状態になってしまうことがあるかもしれません。

あと、オープンチューニングで弦の音程を下げたとき、例えば6弦をGまで下げたりすると、このフレット音痴状態が発生すると思います。これをどうやって克服したらよいものか、それともどうしようもないものなのか、このあたり僕はわかってないので、どなたかに教えて頂きたいです。

 

 

以上、チューニングだけで長々と書いてしまいました。ここまでお付き合い頂いた方、ありがとうございます。